人や環境にやさしく、
除菌・消臭できる「第三の水」。
飲める除菌・消臭水を作る、
それがマナチュラです。

 
特別な技術でこれをつくりあげた、マナチュラの開発者 山田修教授と、この技術に惚れ込み、人と環境のための活動を続けるベンチャー起業家・川合アユムが、2012年、この不思議なマナチュラについて語り合いました。
いにしえの知恵を現代に蘇らせたマナチュラ。
マナチュラは、もしかするとこの世界を救うのかもしれません。



マナチュラを開発した人 ・・・・・・ 山田 修 教授
1954年大阪生まれ。昭和55年3月金沢大学大学院工学研究科修士課程修了。工学博士。1980年5月に大阪産業大学教養部助手。1994年4月に教養部教授。教養部長、教務部長を経て2006年から副学長を歴任し、現在は工学部教授。2000年に大学発ベンチャーである株式会社オーエスユーを設立して代表取締役を併任。
燃焼合成というセラミックスなどの瞬間製造に関する研究開発を実施して、現在はその応用展開を図る。 新素材セラミックスは純銀イオン水など開発途上国の雨水の安全な飲料水化に役立っている。主な著書に『燃焼合成の化学」(TIC 出版)、「水素利用技術集成 NO.2』 (NTS 出版)など。
 
ベンチャー起業家 ・・・・・・ 川合 アユム
1964年大阪生まれ。1980年大阪府立桜塚高校入学、38年高校中退。同年コンピュータ商社に中途入社し、フロッピーディスク複製防止技術 (コピープロテクト) の開発から事業化に成功。1986年イーディーコントライブ株式会社(ED)を創業し、FD転送装置やISDNインターフェース等通信機器を開発する。2003年同社東証マザーズ上場。同年会社を引退し、3年間経済活動を休止。この期間パリ・ダカールラリーやファラオラリーをはじめとした各国でのラリーに出場。精神世界の修行研究も数多く実践。2006年 EDの増資を引き受け経済活動を再開。株式会社YAMATOに社名変更。 2010年マナチュラ事業を開始し、マナ・イニシアチヴ株式会社 代表取締役社長就任。財団法人ベンチャーエンタープライズセンター 評議委員、社団法人日本青少年育成協会顧問、大阪市インキュベーション・エンジェル・グループ (IAG) アドバイザー、 大阪公立大学や多摩大学での非常勤講師など。
経済合理性の追求の結果、様々な地球環境問題が解決できずにいることに気付き、経済活動から身を引く。2016年より沖縄で、水の最新科学を伝えるお話会「水と宇宙と地球とわたし」、ベーシックインカム(UBI3000)を伝える語り手として、沖縄から世界を変えたいと、のんびり生きている。

◆マナチュラの環境衛生革命

<川合>「環境衛生」という言葉がよく使われるようになりました。 マナチュラには、環境衛生の既成概念を変える革命的な要素があると思います。僕は、人類がこれから、いろいろな場面でさまざまなウイルスと戦うときに、マナチュラは最大の武器になると思っているんです。
今までにも銀イオン水はありましたが、一定の濃度のものを安定供給できるようになったのは初めての技術です。しかも銀イオン水ではなく、純銀イオン水です。
製薬会社の方とお話しすると、この未知なる技術に触れるにつけ、「大きな可能性を感じる」とおっしゃいます。

<山田> 一般企業にマナチュラをアプローチするときには、「安定した純銀イオンを供給できます」でいいのですけど、未知の部分は確かにまだあります。それは人にとって福音になるようなことだと推測します。
解明できれば、ひょっとすると製薬会社は、そちらに興味を示すかもしれませんね。
ただ、いまはまだ素晴らしい効果効能の理由について、解明しきれていません。

でも、確実に、マナチュラには何かまだ明文化できていない素晴らしい要素があるのです。
燃焼合成させたペレットが、なにか素晴らしい水の特性を導き出した可能性があります。たとえば、この純銀イオン水の接触角というのを測定してみると、接触角(関連はP119)が大きくなります。すなわち、疎水性になっていて、水の表面エネルギーが大きくなったことを意味します。ppb(10億分の1)というわずかな純銀イオンだけで、このような結果になると思えません。やはり炭化チタンなどの非酸化物セラミックスと銀の共存による別の作用が出ていると考えています。

<川合> すでにあるものの効果の理由を、つまびらかにしていく作業。 ワクワクしますよね。
きつい薬剤で殺菌して清潔を保つと、比較的安価でできますが、環境への悪影響や人体への弊害も否めません。
マナチュラはそれとはまったく異なるアプローチで、安全に衛生的な環境を手に入れるのです。
清潔な衛生空間を作るマナチュラは、私たちがふつうに飲める水なのですから画期的な発明だと思います。



◆山田先生と川合アユムの出会い

<川合> 山田先生に初めてお目にかかったのは、当時、僕の仕事で取りかかっていた新規事業で、モーターの開発についてご相談に伺ったときでした。

<山田> ちょうどそのとき、僕はソーラーとか電気自動車の研究をやっておりました。

<川合> いろいろご相談するうちに仲良くさせていただいて、「オーストラリアのレースでドライバーが足りないから、一緒にどう?」とお声がけいただき、のせられて(笑)。

<山田>「いっしょに行きませんか」って申し上げたら、 川合さんはえらい乗り気になってしもて。
ご自分のバイクを持っていかれて、現地でレースのルートからはずれ、エアーズロックを観光しはるんですもんね(笑)。
エアーズロックまで、片道500kmもあります。行って帰って1000kmね。
そもそもレースで3000km走らないかんのですが、途中で川合さんだけ西側に大回り(笑)。

<川合> ええ。途中フラッと観光させていただいて、また夜に合流しました。

<山田> 僕はそのときは現地には行けなかったから、みんなに後日談として聞いて、「元気な人やな」と驚きました。

<川合> もともと山田研究室におられた現場の先生方に、「川合さんと山田先生は合うと思うから、いつか紹介するわ」と言っていただいておりました。
それでオーストラリア出発の直前にお会いしたときに、偶然純銀イオン水の資料を見せられたんですね。

<山田> そもそも研究室でモーターの話をしていたのですが、帰りがけに、川合さんの目が、置いてあった純銀イオン水のポスターパネルに留まったんですね。それが運命の瞬間だったかもしれませんね。

そのときはまだマナチュラという名前はなく、うちの名前で「シナジーウォーター」という名称で開発していて、私は「これ、純銀イオン水です」と説明しました。そしたら川合さんが、「車の研究をされているのに、なんでこんな開発をしてはるんですか」と驚かれて。

それで、「いや僕はもともと材料開発屋でセラミックスの研究なんかをやっていて、大学では研究をし、販売に関してはOSUというベンチャー企業を立ち上げている」と説明しました。そしたら川合さんが「ほな、僕それ、買って帰ります」とおっしゃって、オーストラリアのラリーに持っていらっしゃったんですよ。現地で使って気に入ってくれて(笑)。

<川合> 山田先生からは、「ラリーでいろんな国をまわっているから川合さんもわかるだろうけど、世界中に飲み水の問題が山とある。自分は、もちろん作った車を評価してもらうことはうれしいけれど、ライフワークとしているのは実はこちらで、世の中に広めていきたいと思っている。だってこれ、地球を救う技術なんだから。
けれども、大学の力では限界がある。川合さんのところで扱ってくれへん?」という話になりました。
だけどそのときは、「いや、うちではなかなかこれは……」という返事しかできなかったんです。

<山田> そりゃそうですよね、やってはることが全然違いますもん。

<川合> 当時の企業のリソースとは全然違うものだったので一度は敬遠したのですが、地球を救う技術なんだったら、やっぱりやってみたいと思いました。
僕がYAMATOの経営者として戻ったときに、上手にお金儲けすることには関心がなくなり、地球を救えるテーマのほうに関心があったのです。
そもそも、そのひとつとして、モーターの開発をやっていたのですから。高性能のモーターは発電機にもなるから、それを極めようとしていました。
しかし、この純銀イオン水は、地球を救うもうひとつの技術なんだなと。日本に生まれ育っていると、水に不自由しませんから、水の苦労が感覚的にわかりません。だからラリーで世界中をまわるという経験があったからよかったです。外国でペットボトルの水のありがたみがわかっていたので。




◆潔癖性の川合、マナチュラのトリコになる

<川合> マナチュラの効果・・・「消臭力とか除菌力がある」ということは、ラリーの環境では絶対に有効だと思ったんですね。僕はそれまで、オートバイのラリーにずっと出ていたのでピンときました。
ラリーでは、安全で十分な水がない上に、毎晩キャンプするわけです。なのに僕はけっこう潔癖なんですよ(笑)。手がネチネチすると元気がなくなるし、顔もかゆくなるし。ところが、純銀イオン水をバチャバチャ使ってみたらすごくよくて。
ラリー中は風呂に入ることはできません。キャンプ場所も泊まるのにいい場所なんか選べなくて、ルール上、17時きっかりにストップしなくちゃいけません。

<山田> それでそこにテント張って泊まるというレースですからね。

<川合> 今日はどこで泊まるのかがわからない。道ばたですから(笑)。

<山田> 川合さんはニオイにも敏感ですからね。

<川合> ちょっと動物的な嗅覚の持ち主ですから、僕は。
合成されたような香りがダメで、香水もキライですね。会社の中に香水のキツイ人がいたりするとね、こちらが痒くなってきたりします。ニオイというのは粒子ですから。

<山田> そうだね。

<川合> 飛んできて粒子が皮膚につくと、痒くなるんですよ。こんなナリをしているのに敏感です(笑)。

<山田> 敏感だとは聞いていたけど、そこまでとは知らなかった。

<川合> ただラリーをやっていると着替えもできないし、生活水がすべてペットボトルの水になります。歯磨きから、なにからなにまですべて。しかも水も暑さで腐りますしね。
マナチュラが消臭できて、腐敗しないと聞いて、これは過酷な状況下のラリーにぴったりやないかと思って、持っていきました。
ラリー中に、自分で実験をしていたんです。そうしたら、着替えられないアンダーシャツとかは普段はこんがりしたニオイがしますが、まず汗をかいたネチネチ状態から、いやにさらっとしたこんがり状態になるんですよ。
そして「これが無菌状態か」っていう、無菌状態を体感することができました。こうするとね(3プッシュほど吹きかける)、無菌状態になるのがわかります。

<山田> そこまでわかりますか(笑)。

<川合> 手の感触だけですが、ネチッとするのがなくなります。
とにもかくにも、ラリーで実際に使ってみたら、「これは違う!」と惚れ込みました。安全で除菌・消臭できる第三の水、という新しさは、売れる、売らなあかんと思ったんです。これが僕がマナチュラを仕事にしようと思った瞬間です。
そこから、頭の整理整頓が始まってきて、世に出回っている消臭剤ってなんなのか、世の中にある除菌剤とはなんなのか、石灰の役目はなんだと、勉強したのが1年目です。2年目で震災に活用し、それらの経験を生かして売れるようになったのが3年目、今年、2012年ですね。



◆純銀イオン水の誕生秘話

<山田> もともとはインド領事館からの相談からはじまりました。 開発途上国の水の状態がものすごく悪いということでした。1990年代の終わり頃のことです。
インドでは、街でも水道は水質が悪い、田舎ならそもそも水が出ない。飲用に雨水を使っているが、ふつうは砂濾過をしている。砂濾過をした水は一見はきれいなんだけど、暑いところだからすぐに腐ってしまう。病気になる人もたくさんいるし、なにかいいものありませんかという話でした。

そこで出された条件が3つ。
「誰でもどこでも簡単にできる」「長期殺菌ができる」「電気などのインフラが不要」でした。

<川合> ものすごく厳しい条件ですよね。

<山田> そう。従来の水の殺菌方法は電気を使うものばかりでね。紫外線で殺菌するか、あるいは塩素剤を放り込むか。でも塩素剤は、日なたに置いておくと30分くらいで塩素が飛んでしまい、そのまま置いておけばまた浮遊菌が上から入って腐ってしまいます。
日本のように水道管の中なら塩素でOKでも、ひなたに置けば日本でだって水はすぐ腐るのです。
いつでもどこでもとなると、長期殺菌もできないでしょう。じゃあ雨水はまず濾過をしようと。それで中に何かを入れて、長期的に放っておいても殺菌できたらええんやなと考えたのです。そうなると答えはある程度見つかったようなもので、うちはもともとセラミックスのペレットの研究をやっていたわけでね。
菌はやったことがありませんでしたが、金属を入れたセラミックスはすでに実績がありました。
人工衛星を飛ばすために必要な白金系触媒の研究をしていましたから。

<川合> 純銀を配合することはすぐに思いつかれたのですか?

<山田> そうです。ああ、じゃあ、白金の代わりに銀を入れたらいいなと、すぐ思いつきました。
もともと銀に除菌効果があるという知識は持っていましたから、それを作ろうとひらめきましてね。
問題は、作ったペレットで、ほんまに殺菌できるかどうかです。研究で作ったものには失敗も多く、ストレートにうまくいくことはまれなんですけど。
そのときは神がかっていたのか、純銀を入れて分散したようなセラミックスを作って、水に入れて除菌テストをしてもらったら、たしかに「効く」というデータがとれました。

<川合> 製品にするまで苦労と試行錯誤の連続だった・・・・・・わけでもないのですね。

<山田> まったくちがいますね。思いついたままのものが、理想的な形でできあがりました。むしろ奇跡的です。
ただ、水の中の純銀イオン濃度が低いと除菌効果が低い。高ければもちろんいいんだけど、 排水が川へ出た後に環境汚染になっても困ります。自然界の有用菌まで殺したのでは意味がありません。だから濃度があまりに高いのは考えものなのですが。そうしたらちょうど、上限のちょうどよい値で、なぜか止まったのです。

<川合> ふつうなら、水にペレットを入れると、時間が経過するごとに、純銀濃度が上がるんじゃないかと思いますよね。

<山田> 不思議なことに、濃度の上限で、確実にそこで止まるんです。
その上限の濃度が、除菌にも効くし、環境に負荷を与えるものではないと、絵に描いたような理想的な話になりました。
ただいまだに、「純銀の濃度を下げてくれ」「上げてくれ」と言われてもできない。なぜそこで止まるかがわからなければ、上げるも下げるもできないわけですからね。結果として、だれもがびっくりするくらいええもんができたわけです。

<川合> これは授かりものです。

<山田> うん、たしかに授かりものや。消臭効果は「棚からぼた餅」!
じつはマナチュラが消臭に効くことは、研究段階では想定外でした。思いがけないプレゼントをもらう形で、消臭効果を享受したのです。しかもこの消臭効果、雑菌を除菌するタイプの消臭。ニオイをニオイに重ねず、ニオイでごまかすこともせず、ニオイのモトに働きかけ、その効果を持続させるのが最大の利点。 1本あれば、お部屋の消臭剤としてはもちろん、衣料の消臭剤、制汗剤の役割まで完璧にこなします。もちろん直接肌につけてもOK。「OK」というより、つけると肌のしっとり感が増すように思われます。

<川合> 山田先生ご自身が「この製品は本当にすごいんじゃないか」と思われたのは、どのタイミングですか?

<山田> 除菌テストのために第三者機関に出し、結果が戻ってきたときです。
このペレットで作った純銀イオン水はほとんどの菌に勝つし、菌のなかでも強いといわれるレジオネラにも有効だという結果を認めたときにはうれしかったですね。それから、レジオネラよりさらに強いのはカビ。
カビはなかなか純銀イオン水でも殺せませんが、ただ徐々に減ります。
ふつうはカビは水に入れると増殖しますが、純銀イオン水だとカビの量が下がってきますから、長期間純銀イオン水で処理をすれば最後にはいなくなる。そういったデータです。ひとつでいろんな菌に効くというのはわりと珍しいと思いますよ。
大腸菌用、レジオネラ用、カビ用と分ける必用もなく、この純銀イオン水がいけると思ったのはまずはそこですね。
除菌テストまである程度進めたのが、2002年くらいのことです。
もともと開発途上国で飲み水にしようと思っていたので、要件はほぼ達成されているわけです。
しかし、蛇口をひねればきれいな水が出る日本国内では、需要がないから売れへんやろなと思っていました。

<川合> 消臭効果について、はじめからわかっていたわけじゃなかったのですね。

<山田> はじめは僕自身が気づいていませんでしたね。これも偶然でした。
あるときに、車のディーラーの店員の方が僕のところに来てね。
「空間にスプレーしたら、強烈だったタイヤのニオイが消えました。あれはなんですか?」と訊くんですよ。つまり、ディスプレイで新品のタイヤを店に積み上げていたそうなのだけど、あの新品のタイヤって独特なニオイがするでしょ。車を買いに来た親に連れられてきた子どもが、そのニオイを嫌がるからなんとかしたいと思っていたらしい。それまでいろんな消臭剤を使ったけれど、ニオイはとれなかったそうです。
そうしたら、誰が渡したのか、ラベルもなにもない、サンプルの純銀イオン水を使ったらしくて。
僕のところに、「スプレーしたらニオイが消えました、あれは何ですか?」と、話が来たわけです。

<川合> それで初めて消臭効果が証明されたと!

<山田> 訊かれたときも、はじめは「いやいや消臭はできません」と答えたくらいでも、不思議なことに、なぜかディーラーにサンプルが流れていって。
たぶん誰か伝言ゲームで、「消臭にも効く」とでも言ったんでしょうな(笑)。で「ニオイが消えたんです」とご意見をいただきました。
僕がびっくりですよ。 銀イオンなんて消臭には効かないと言っていたのに。言われて初めて、除菌と消臭、両方ができるんだとわかりました。それが2004年のこと。
それまでは僕自身も、雨水の飲用化用だから、消臭効果なんてどっちでもよかったし、わからなかった。
それが、「消臭が前面に出るなら、国内でもマーケットがあるのでは」という話になり、取り扱う人が徐々に増えてきました。そうこうしているうちに、川合さんにつながるわけです。

<川合> 「銀イオン」で調べてみると、けっこう大企業が手がけていたのが見つかりました。その当時は、製薬会社や衛生関連会社とか。
ある衛生関連会社の技術者の方は僕の講演を聴きに来られました。そうしたら目くじらを立てて、「銀イオンを開発するのはやめたほうがいいですよ」と言ってこられたんです。
「どうしてですか?」と訊いたら、「うちは銀イオンの開発はやめましたから」と。
結局、イオン濃度を安定させられないということだったわけです。
製薬会社も取り組んで失敗されたそうで、工場から出荷されたときには品質テストをクリアしていても、お客様の手元に届く段階で銀イオン濃度が不安定になっいると。どちらの会社も銀イオン水を商品化しようと取り組んでいたわけですが、マナチュラはふつうの水をイオン化できる“技術”なんですよね。発想が違います。
さっき山田先生がおっしゃったとおり、ペレットを水に入れたら、80〜100ppbの濃度で安定する。この安定性が、この技術の最大の成功なんです。

<山田> そうやね。濃度表記ができるというのは、今までにないことでした。

<川合> はじめは大企業の失敗というのがあって、うちみたいなところがやってね。
だからほかの方が心配されて、技術の方を紹介してもらったりしてやりとりをしたりもしたんですけど、もちろん燃焼合成の技術を彼らは知らなかったし、燃焼合成によって安定性がもたらされたことに驚いて、最終的には「これはすばらしい技術だ」と言ってもらえました。




◆山田先生と燃焼合成の研究

<川合> 山田先生と燃焼合成の研究のきっかけはなんですか。最初は、24〜25才のころですよね?

<山田> はい。当時は大学の研究所にいました。すでに学生ではなく、ドクターにもなっていないころで、飛び込みで「研究させてくれ」と訪ねていきました。
ドクター課程をとらないと大学では上にあがることはできませんから、博士号をとるために大阪大学の産業科学研究所に行ったのです。
そこに、今は亡き小泉光恵先生という、セラミックス関係で有名な先生がいらっしゃいました。最初は、材料や素材関係の研究をしていてそれが、26才のとき。27才のときに、たまたまその小泉先生のところに、「ロシア(当時のソ連)が、宇宙開発の一環でセラミックスの燃焼合成をやっているらしい」という話が届いたんです。
当時、ロシアは共産圏ですから、まったく論文もデータも出てこない。ただ、なにかができているというものすごく漠然とした話がありました。それで、やってみたんですね。

<川合> はじめは、ロシアの漠然とした情報だけだったのですか?

<山田> そう。かろうじて材料だけはわかっていました。日本語でホウ化チタン。非常に固い物質で、セラミックスを扱っていたから、我々は「ホウ化チタン」とさえ聞けば、だいたいどんなものなのかがわかるわけですよ。「ははあ、チタンとホウ素を混ぜてできるんだな」と。

<川合> 化合させるというのはたいへんなものですよね?
焼き物をひとつ作るのにも、窯でずっとエネルギーを加えることで、焼き固めるわけでしょう?

<山田> 厳密に言うと少し違って、もっともっとたいへんだし、装置などの環境を整えるまでにはかなりの手間暇がかかります。
僕らが使うのはファインセラミックスとニューセラミックスというもので、いわゆる自然界からとってきたものではなくて、人工的に作り出したものです。そういう新しいものを合成して作りだそうというときには、装置もものすごく大きいし、温度をかけなければいけないし、作るだけでたいへんなエネルギーがいる。
ふつうの焼き物はそれに適した土をもってきて、形にして焼きますよね。ファインセラミックスも形にして焼くというのは同じです。ということは、ファインセラミックスは、作るときにもエネルギーがいれば、それを形にして焼くときにもエネルギーがいるわけです。
燃焼合成はそんなのをいっぺんにやって、しかもエネルギーを外部から加えなくてもよい。

<川合> 外部からエネルギーをかけなくていいという化合法は、珍しいですよね。

<山田> そう、とても珍しいと思います。それまでのセラミックスの業界ではそういう考え方はありませんでした。
燃焼合成で、自分たちでいろいろなものを作れるようになったのです。300種類くらいあったでしょうか。最初にやったのは、チタンとボロンを混ぜること。
最初だけ着火して化学反応を起こさせてやると、あとは自分で発熱して、また次の原料部分が着火して発熱してということを勝手に繰り返します。そうすると、チタンでもボロンでもない、 TiB2 (ホウ化チタン)という全く別の物になるんです。それを化合物といいます。
TiC(炭化チタン)というものは間違って「チタンと〜」と書く人が多いんです。でもそうじゃない。
たしかにチタンは入っていますけども、炭化チタンとチタンは、全く違うものですから(笑)。それまでの常識では、そんな簡単にセラミックスなど化合物ができるわけがなかったんです。
それで、当時溶接する機械があったので、チタンとボロンを混ぜて形にして、それでぽっと着火したら、花火よりもひどくそれがぶわっと飛んで………。
たしか12月で冬でしたが服が焼けてね、穴だらけ…危ないところでしたわ(笑)。

<川合> そのときの温度が3000℃くらいですよね。

<山田> そう。3000℃少し。そのときは燃えたことよりも、反応することが驚きでした。
「ええっ、ほんまにこんな現象あるんや!」 って。
それで、もう焼けた服なんか忘れて、飛び散ったものをすぐに集めて、 粉末X線解析という機械にかけました。これで調べれば、化合物の TiB2になっているのか、あるいはもとのチタンとかボロンのままなのかがわかるのです。
調べてみたら、きれーいに全部TiB2、狙った化合物になっていました。これはすごいと身震いしましたよ。

<川合> ものすごい研究者魂ですね。

<山田> その一瞬から、取り憑かれて。
そんなに簡単にセラミックスができるなんてね、ないことだったんですよ。それが夢のようでね。
外部から火もいらない、最初だけ火をつけてやったらあとは勝手にできるんだから。こいつはすごいなと(笑)。

<川合> それが、山田先生と燃焼合成の出合いなわけですね。

<山田> そのときの燃える炎が、頭にずっと残っています。あの火の美しさに惹かれて、ここまで来ました(笑)。

<川合> 日本で最初に燃焼合成をおやりになったということですよね。

<山田> 僕の心に火がついたわけだよね(笑)。




◆マナチュラが原発のメルトスルーを救う!?

<川合> 先日は、マナチュラのプレス発表でも、燃焼合成の実験を見せてくださいましたよね。核反応でもないのに、核分裂なみの温度が出るわけですよね。

<山田> あれは核反応ではなく、単なる化学反応です。しかも爆弾よりも、ずっと大人しい化学反応です。

<川合> 燃焼段階で3000℃くらいの高熱が出るわけですから、その温度に耐えられる石ができちゃうんですね。

<山田> そういうことです。

<川合>  原発事故の直後に、メルトスルーを防ぐ素材として、「燃料棒の先に、燃焼合成で作った物質でのキャップをつけてはどうか」と話題になったことがありましたよね。原発の核燃料棒は温度が高く上がっても2800℃だから、仮に核燃料がこの燃焼化合物の上に落ちても、化合物は溶けない。だから、燃料棒のプールの底にも使えるんじゃないかと。

<山田> そう。だれがやるかは別にして、とにかく燃料棒のキャップにするとか、プールの底にマナチュラを敷き詰めたら、燃料棒の温度にも耐えて溶けないものができるわけです。

<川合> 自然界には、2800℃に耐えうる物質というのは、なかなかないといいますもんね。

<山田> 燃焼合成の面白いところは、人工的に、自分たちで新しい物質を作ってしまえるところです。
ある特性を持つ、自然界ではできないものを作っているんです。

<川合> メルトスルーに待ったをかけることができるヒーローにも、マナチュラはなれるということですね。他国でも、フランスが興味を持ってくれましたので、近々なにかご報告できると思います。



■いにしえの知恵に学ぶ

<川合> それにしても、燃焼合成の光はきれいですよね。

<山田> うん、あの3000℃というのは、目がおかしくなるくらい光り輝くんですね。あの燃えるのがいまだに不思議でね。瞬間的にできるでしょう?
たとえば紙は燃えるとカスになってなくなってしまうじゃないですか。ところが燃焼合成は、燃えてその残りが有用なセラミックスになるわけですよ。「燃えてなくなるんちゃうの?」って、みんな言うんですけどね。燃えカスが、非常にいいセラミックスになるのです。

<川合> それが触媒となって水に影響を与えることができるのがマナチュラです。燃焼合成なしには作れなかったわけで。配合にも苦労されたのでしょうか。

<山田> 純銀の量は、いろいろ加減して試しましたよ。純銀の含む量を変えていって、どのあたりがちょうど条件に合う濃度になるか。

<川合> マナチュラのレシピですね。

<山田> そう。

<川合> 純銀イオンと同じ考え方で、燃焼合成で作る、銅イオンを発生させるペレットもあるわけですか?

<山田> そうですね、できますよ。じつはそこらへんはだいたい、試しています。銅とか亜鉛とか、要するに純銀の代わりに混ぜたらできますから。

<川合> 純銀ほど有用なものがなかったというわけですね。

<山田> 今のところ、純銀がいちばんいいです。昔から毒が入っているかどうかを見極めたりと、純銀の効果効能には素晴らしいものがあります。いにしえの知恵を、現代のテクノロジーでいっそう強化活用できたわけです。

<川合> 温故知新の精神でマナチュラが存在しているのですね。銀は昔から価値がありました。オリンピックでは「金」「銀」「銅」といいますが、古来は銀がいちばん価値があったといいますよね。銀をストックしていたとか。

<山田> 貨幣として通用していたのは銀ですから。
「銀座」という地名がいまだにずっと残っているのは、やっぱり銀が貨幣として流通していたせいでしょう。「銀行」という言葉にも当時の名残が垣間見えますね。




◆東日本大震災とマナチュラ

<川合> 宮崎の口蹄疫、東日本大震災など、災害被災地でマナチュラは大活躍しています。山田先生は研究当初、災害状況下でマナチュラを使うという想定はおありだったのでしょうか?

<山田> はじめは開発途上国の飲用水問題の打開に考えていたものですから、消臭もできるということがわかった時点で、災害などの緊急事態に使えることがあるはずとは思っていました。だから、口蹄疫だとか鳥インフルエンザだとかで、とにかく使ってもらおうと。
ほかの除菌・消臭剤とマナチュラが違うのは、もともと除菌・消臭剤を作ろうと思ってできた製品というわけじゃないんですよね。
一般に売られている除菌・消臭剤は、もちろん飲用を目的に作られたものじゃないから、あれを飲むとたいへんなことになってしまいます。
ところが、マナチュラは、開発途上国で安全に飲める水を作ることが開発のコンセプトだったわけで、それがたまたま消臭にも非常にすぐれた効果を示した。人への安全ありきのものなんですね。
ふつうの水道水は飲めるけれども、それを除菌や消臭に使おうって人はいないでしょう?そもそもできませんしね。だから僕は、マナチュラで作る水のことを「第三の水」と呼んでいるのです。

<川合> マナチュラで作る純銀イオン水は、ごくふつうに飲めるもの。一方で、その水をスプレーに入れてシュッシュすると、除菌・消臭効果を発揮する。今までそんな水はありませんでした。

<山田> だからこそ、開発途上国だけじゃなく、先進国の人々の暮らしをサポートできるのです。日常の暮らしをよりよく快適にするのはもちろんですが、災害などの非常時には、「いのちを守る」という意味で、絶大な効果を発揮します。
川合さんが、東日本大震災の被災地に、何億円規模で無償提供して、みなさんに喜んでもらえましたよね。だって手が洗えないときにも使えば除菌できるし、お風呂に入ってなくてもそんなにニオイもしなくなるんですから。

<川合> 被災した方には少し失礼な言い方かもしれませんが、被災地の過酷な状況は、ラリーの過酷さとつながるものがありますから。
ですから被災地で何が必要とされるのかが、自分でイメージしやすいというのもありました。

<山田> そうですね。

<川合> 東日本大震災が起きて、1週間後くらいに現地に入りました。パリダカの仲間と作ったNPOのスタッフで、現地へ炊き出しに行ったんです。僕はちょっと遅れて避難所となっている石巻商業高校に入ったんですが、グラウンドは汚泥だらけで悪臭が充満しています。
仮設トイレが設置されていましたがこれもすさまじい環境。そこではすべてのライフラインが断たれた状態でした。
第一段階の支援物資として水が届きますが、衛生管理という意味では不安が残る印象でした。非常に寒く、気温が低いことは衛生的には幸いだったと思いますが、たいへん危険な状態でしたね。
疫病、伝染病といったものが発生しやすい劣悪な環境下で炊き出しをやろうとするとき、殺菌したり、食中毒を防いだりということを考えると、マナチュラ以上のものはありませんでした。塩素は希釈して使いますが、濃度が高いものを使うと炎症を起こしたり、目に入ると失明する危険があったり、 酸と接触すると危険な塩素ガスが発生するんですね。
こうした危険性がマナチュラにはまったくありません。

<山田> マナチュラは、飲用として開発しましたからね。 安全性についてはおまかせください。ところで、川合さんははじめ、どんなふうにして被災地でマナチュラを配り始めたの?

<川合> 配るといっても、納入先自体が混乱している状況でしたから、はじめはとにかく難しくて。 まず、ボランティアがどういう風に機能しているのかを知ろうということから始まりました。
現地へ行くと、教育機関の体育館が支援物資の受け入れのストックヤードになっていて、そこにボランティアが集まって、仕分け作業をしていました。そこでどうやって配給作業をしているかという流れを聞いてからですね。
仕切っているのが社会福祉協議会で、そこに対するアプローチと供給をしました。はじめは説明がたいへんでしたけどね。

<山田> 社会福祉協議会と通じたあとは、どんなアプローチを?

<川合> まずは先ほどお話しした避難所に行きました。
それから「ご自宅に好きなときに持っていってください」と申し添えてマナチュラを一家族に一個お渡ししました。もっとも、マナチュラの素晴らしさは、ただ話すだけではわからないですからね。
第一歩として、社会福祉協議会での説明会を開きました。
その避難所のみなさんに5000個くらいを配り終わったころに、三井物産さんが「いい活動しているね」と声をかけてくださいました。結局、三井物産さんがマナチュラを買い上げてくださって、釜石市の市長さんに贈呈し、それが新聞に大々的に紹介されたりということがありました。


<川合> 東日本大震災をきっかけに、福島の農場の方ともつながりました。
TVで「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系列)を観ていたら、福島の農場の滝沢さんという方がテレビ中継で会話をしていて、原発の話をしていらっしゃいました。
そこのお宅は原発の避難エリアぎりぎりのところにある農家だったんです。ちょうど、放射性ヨウ素が子どもの甲状腺に蓄積し、発がん性があって危険だという話でした。それを見ていて、原発の問題はしゃれにならんなと、怒りを感じていました。
「なにか、マナチュラにできることはないでしょうかね」と山田先生に尋ねると、「ヨウ素と純銀イオンは化合しやすいんですよね」とおっしゃった。これだ!と思いました。

<山田> マナチュラを飲むことでヨウ素と純銀イオンが体内で結びつき、ヨウ化銀(Agl)という化合物になるから、体外に排出しやすくなるのではという仮説です。塩化銀(AgCI)と一緒です。
体外に排出されれば、ヨウ素分が減るんじゃないかと考えて、「いっぺんマナチュラを飲んでみたら」と申し上げたの。

<川合> 山田先生に、大学の考察としてデータを書いてもらって、「体外排出できる可能性がある」と。
だったらそれを持っていこうということになり、テレビ局に電話をしたのですが、怪しいと思われたのか、肝心の滝沢さんの連絡先をなかなか教えてもらえなくて。あの手この手を尽くして、ようやく連絡をとることができました。

<山田> 怪しい・・・そうやろな(笑)。

<川合> 滝沢さんにも「怪しい者じゃありません」と言って、仲良くなりました。
滝沢さんも実際にマナチュラを使ってみて、「とてもいいものだから、南相馬の知り合いに配りたい」と言ってくださり、彼を通じて大量に納入したのです。子どもたちにできるだけ飲ませるといいだろうと。
滝沢さんは若い酪農家の方で、農場を経営されていましたが、たまたま水の研究家でもありましてね。
いろんなイオンだとかご自身で研究をされていた。それで「牛に飲ませたい」と。「この際だからどんどんやりましょう」ということになりました。
乳牛に対しては、牛たちが飲む水の水源をイオン化させたのです。そうしたら、牛のコンディションがよくなったと。こういうわけです。




◆口蹄疫とマナチュラ

<山田> 口蹄疫の騒ぎのそのときに、川合さんは偶然宮崎にいらっしゃったんですよね。

<川合> そうなんですよ。これも不思議なことですが、口蹄疫が発生したとき、ちょうど宮崎にいたのです。 「口蹄疫が発生した。 今のところ牛だけだが、人に感染するかどうかはわからない」という状態でした。
あのときは牛の格付けは奈落の底に落ち、たとえ元気でも、その地域の牛という牛を全部殺さなければいけないし、産業として壊滅寸前という状態でした。
当時、宮崎県知事でいらっしゃった東国原さんの秘書の方に、「どう対処するのか」とお尋ねしたら、 「石灰を使います」とおっしゃるので、 「純銀イオンはあらゆる細菌に効くと認められているし、戦い方が根本的に違います」と、マナチュラを勧めました。

<山田> 石灰はアルカリ性だし、同じく殺菌に使われる酢は酸性。酸性かアルカリ性か、どちらかにふると、口蹄疫の病原菌が生きられないから、pHを変えることで菌と戦っていると、こういうわけです。

<川合> 口蹄疫のときに対処した方法は、地面に石灰をまいたわけです。体には酢をまいたんですって。
純銀イオンは、菌との戦い方がほかの薬剤とは一線を画しています。
ウイルスは、なにかに寄生しないと生きていけません。 その寄生先の雑菌を死滅させることができれば、寄生物であるウイルスは活動できなくなるという仮説はたつと。じゃあやってみましょう、ということで、マナチュラに出番をいただきました。僕は、ウイルスに関する知識はほとんどありませんでしたが、山田先生からさまざまなレクチャーを受けていましたから、マナチュラがいろいろな菌に効くということは知っていたのです。

<山田> いつものオタク話がお役に立ててうれしいです(笑)。

<川合> 今現在も人はさまざまな菌と戦っています。これから先の未来も、人間は、新出してくるウイルスとの戦いになるでしょう。
そのときに、マナチュラは応援してくれるわけです。菌やウイルスには作用するけれども、人体や高等生物といった生物には無害であると証明されています。

<山田> これはすごく大事なところやね。
それにしても、 川合さんも、よくもまあ偶然、口蹄疫の発生現場に居合わせたりしますよね。

<川合> まるで使命みたいでしょ(笑)。
実感として、マナチュラを使っていただいた綾町は感染しませんでした。
きっかけは口蹄疫でしたが、そのあとも「使っていると子牛の病気が治るから」とご好評いただき、そのまま継続して使っていただいている酪農家も多いです。
「子牛の病気が治る」というのは、単に衛生環境がよくなったというのもあるとは思います。そもそも一か所に閉じ込めて育てるから糞が溜まり、ニオイもある。動物が生きる自然な環境とは大きく異なります。ところが牛舎全体にマナチュラを使うことで、いろいろな雑菌の抑制が働いて、同じ空間でも衛生環境はまったく異なるものになりました。とくに牛は胃腸が弱いので、そこがよかったのだと思います。




◆菌やウイルスにだけはたらく純銀イオン水の不思議

<山田> マナチュラの研究をしていて、「細菌が死ぬのに、純銀イオン水は人間に本当に大丈夫なんですか」とはよく聞かれます。それに対しては、徳島大学の有名な研究者が、「純銀イオン水を飲んで死ぬくらいだったら、人間はとっくの昔に死に絶えています」ということをおっしゃっています。
純銀イオン水が胃に入ったくらいで、人間、いや、動物のからだはダメージは受けません。高等生物は純銀イオンくらいでは死なないのです。
細菌など菌関係にだけダメージを与えるのが素晴らしいところなのです。だからこそ古代から、その殺菌作用が広く活用されてきたのだと思います。

<川合> カビ菌には効くけど、カビ自体の分解には効かないというのも似ていますよね。マナチュラで、カビの増殖は抑制されますけど、発生したカビにかけても消えません。

<山田> マナチュラの純銀イオン水で死んでいくカビ菌が、カビの死骸となって黒ずむんですね。市販のカビ取り剤は、その黒いカビの死骸まで取り除く。たいへん強烈な薬剤です。
「純銀イオン水をカビにかけると白くなってきれいになるのか」と言う人がいますが、そうではありません。 カビは死んでも死骸は残りますから。ただ最初にきれいにしてもらってから吹きかけると、カビが新たに発生するのが遅くなります。

<川合> 徹底して人にやさしいのがマナチュラです。

<山田> その通りです。だって、飲んでも大丈夫なんですから。言い換えれば、その、人にやさしいというのも純銀イオンの特性ですね。

<川合> 人間も生命体も、表面で戦っているんですよ。その助けに純銀イオンはなってくれるんです。
ちょっと目の調子がおかしいときに、目薬よりも純銀イオン水のほうがいいと言う人もいます。
目薬の役割は、目に入った菌を抑制することでしょう。マナチュラは除菌ができるし、目に使っても大丈夫なわけですから。
同様に歯周病の人にもいいですよね。 夜寝る前にうがいをするだけでも違ってきます。純銀イオンは、人間にとっては、非常に都合のいいラインで、助けになってくれるものですね。

<山田> そうね、強烈な働きをするものなら、ほかにいくらでもあるわけだから。

<川合> 先日、東洋医学の先生方が団体でインド旅行へいらっしゃったそうで。
行く前にこういう話をしたので、みなさんマナチュラを持って行ってくださいました。
現地で、マナチュラの水を飲んだり、食べ物にスプレーしたりしたそうです。そのせいか、ひとり以外は、だれも腹をこわさなかったそうです。
インドの劣悪な衛生環境下でも、マナチュラを使った人たちの健康は守られたわけですね。お医者さんだから、マナチュラの使い方も上手だったのだろうと思います。菌の活動について、知識がなかったら、使い方がわかりませんもんね。
帰国後、「インドへ行って腹をこわさないなんてありえない」と驚いていらっしゃいました。ひとりだけ使わなかった人がいて、十何人中、使わなかったその人だけが腹をこわしたそうです。

<山田> 僕は試しにマナチュラの水を飲んでいます。 純銀イオン水のおかげで、からだがひょっとしたら元気になるかもしれないし(笑)。
細胞修復に効果があるなら、素晴らしいことだよね。細胞を正常化させたり、人の恒常性を保ったり、そんなホメオスタシスをサポートするはたらきが臨床で出るとうれしいですね。

<川合> マナチュラはどんどんフェーズが変わっていきますよね。

<山田> そうね。最初は開発途上国の飲み水から、消臭効果にフィーチャーされるようになって、現在は、ウイルスブロックで着目されているでしょう。
最後はね、また「水」に戻るかもしれませんよ。もうちょっとアクティブな、「飲むべき水」になるかもしれない。

<川合> マナチュラを入れた水の特性そのものが変わっている可能性があるわけですから、なにかありそうですよね。水そのもののエネルギーが変性しているとか。

<山田> 接触角の変化として、わりとハッキリ出ているのだから不思議ですよね。これからはそういう方向でもいろいろ調べてみようかなと思います。
最終的にはただの除菌・消臭ものとしては出さないかもしれない。たしかに「歯周病にもいい」という話も聞きますしね。だから、口腔の洗浄剤として売るというところは出てくるかもしれない。
今は「たまたま」が多くて、点がたくさん散らばっている状態。これをしかるべき機関で調べていただいて、線につなげていく作業が必要ですね。マナチュラには、まだまだ可能性がありますから。

<川合> ものすごい確率で「たまたま」が重なっていますものね。

<山田> マナチュラがここまでくるとは、当初だれも思いませんでしたけどね。
新素材だとか、その分野では燃焼合成はやりやすいと思ってはいましたが、それを使った水でここまで来ることができるとは感慨無量です。

<川合> 海外での活躍は、フィリピンでしたか。

<山田> そう。フィリピンの田舎の、水道もない川の水を使っているようなところで、ため池にこのペレットを入れたら大腸菌が検出しなくなったとか、そういうことをやりました。大学生たちが国際貢献で行った活動で、ペレットは無償で提供しました。

<川合> ところで今、うちの会社の会議室でマナチュラミストの実験をやっているのです。天井に引いた管から、5分おきにミストを噴射させるのですが、素晴らしい消臭力があり、以前とは空気が違う感じです。
部屋の外の空気と、会議室の空気がガラッと変わっています。実験を始めてから、「風邪をひかない」という話もちらほら出始めました。ためしに喫煙もしてみましたが、さすが、ニオイがなくなります。 吸っているにもかかわらず、です。

<山田> これで仕事の能率まで上がったら最高やね(笑)。

<川合> これからマナチュラミストには力を入れていきたいと思っています。
じつはこのマナチュラミストは幼稚園でも導入させていただいています。 マナチュラで、インフルエンザの感染率を下げていきたいのです。
多摩大学との産学連携で、 マナチュラ導入後の効果測定も開始しました。子どもたちの過ごす学校や幼稚園は、インフルエンザの温床ともなりがち。まずこの環境を改善するのが重要だと思っています。


<山田> 加湿器での利用例は以前から聞いていましたが、 マナチュラ純銀イオン加湿器とサーキュレーターを一緒に設置すると、教室内の雑菌を抑制して、 インフルエンザなどのウイルスを不活性化することができますね。

<川合> 教室のエアークリーニングだけではなく、さらに先生方が1本ずつマナチュラスプレーボトルを持ち、手洗い後の園児に純銀イオン水をスプレーして除菌を徹底しています。

<山田> シュッシュとスプレーしてもらうのも、子どもは楽しんでやるでしょう。

<川合> はい。それから送迎バスの密閉空間も感染率が高いので、各バスにマナチュラスプレーボトルを1本ずつ設置し、空間を除菌するスプレークリーニングを行います。ひまわり幼稚園は、充実した絵本図書館や豊富な楽器を揃えた専用音楽室など、子どもたちの情操教育にことに力を入れていらっしゃる幼稚園で、園舎の環境衛生にもとても気をつけていらっしゃいます。なるべく自然体を心がけ、ケミカルなものは極力使わないという姿勢の理事長でいらっしゃるので、ノンケミカルで安全なマナチュラにご賛同いただけたのだと思います。

<山田> うれしいことですね。 幼稚園や学校はもちろん、病院や銀行、老人ホーム、ホテル、レストランなど、大勢の人が集まる場所は、インフルエンザをはじめ、さまざまな感染症の対策として、マナチュラのエアークリーニングが効を奏すはずです。
もともと飲めるものだから、赤ちゃんやお年寄りにも、からだに負担なく除菌・消臭できるのは画期的だと思います。

<川合> アルコールやエタノールでの消毒のように肌が荒れることもないですし。

<山田> 産学連携の効果測定の結果がとても楽しみやね。

<川合> そうですね。 ウイルスとの戦い方が、少し見えてくるかもしれません。
まずは純銀イオン水を使って、園児たちを少しでもインフルエンザから守りたいと思います。気分は地球防衛軍です(笑)。



■石鯛の養殖とマナチュラ

<山田> これは稚魚の養殖でも問題になった話ですが、 純銀イオン水はイオン式でいうと「Ag+」でしょう。海水には塩、NaCI が入っているので、「CI」という塩素イオンがいっぱいあるわけですよ。ふつうは塩水に純銀イオンを入れると、「Ag+」と「CI」がくっつくことによって、「AgCl」という塩化銀になります。塩化銀になると、水の中には溶けていられなくて白濁するか沈殿分離するのです。そうすると水の中には純銀イオンはなくなります。ですからふつうは、純銀イオンは海水には使えないということになります。
ところがマナチュラは海水にも使えるのです。このペレットだと水道水で純銀イオン濃度が100ppbくらい出るでしょ。でも、そこに塩を入れてみたら、最大*1ppmくらいまで、水道水のときに比べて100倍くらいの濃度まで逆に増えるんです。ふつうだったら純銀イオンは存在しなくなるのに、マナチュラの場合だと逆に純銀イオンが増える(笑)。

* ppm、ppbは濃度を示す単位。1ppm=1000ppb。ppmは100万分の1ppbは10億分の1。

<川合> 燃焼合成させたペレットの特性でしょうね。

<山田> そう。ただ、現象としてははっきり出ているのですが、理屈が解明できないのです。不思議ではありますが、とにかく海水でも使えるということがわかっているので、マナチュラは石鯛の養殖などにも活用されています。
データに出した*孵化の実験は、海水でやっているものなのです。ふつうは海水には純銀イオンは沈殿して効果が出ないから入れないし、そうとわかっているから使わない。だから、海水に対しても使える純銀イオンというのは、マナチュラくらいかもしれないですよ。

<川合> まだ、なぜかわからないんですよね。

<山田> わからない。すみません(笑)。
純銀イオンだけを添加してもそうはなりません。 水に入れたマナチュラのペレットが、水の特性を変えているわけですよね。 純銀が入ったセラミックスを、燃焼合成でつくったということ。それがポイントなのです。

* マナチュラを入れた海水では、石鯛の卵の孵化率が上がり、奇形発生率が下がることがデータで明らかになっています。 海水でも適正の純銀イオン濃度が保てるので、雑菌の少ないいい環境の海水ができるから、孵化についてもいいデータが揃うのではないかと考えられています。



■水の不思議 水の神秘

<川合> 僕はマナチュラで作った氷を、大阪の自宅にいるときにはかなり使います。
製氷用の水タンクにマナチュラを入れて、それで作った氷なんですが、氷がおいしくなりますね。
先生、マナチュラは塩素も抜けるんですか?

<山田> それもわからんなぁ。ちょっとした謎のひとつ。

<川合> 本来は水道水には塩素が入っているんで、銀イオンが入ると白濁するんですよね。塩素量が多いと。ところがマナチュラにはそういう現象がない。

<山田> それは徳島大学の先生も不思議だっておっしゃっていましたわ。ふつうは、純銀イオン水は遮光容器に入れておかなくちゃいけないんですけどね。
でもマナチュラは、ご存じの通り、透明のプラスチックの瓶に入れるでしょう。それでも白濁しないわけです。「不思議や、水の何が変わっているのかが知りたい」っておっしゃっています。

<川合> 近い将来、製薬会社さんと提携しようと思っているところです。
研究インフラをもっているところとね。調べていけばね、マナチュラが水に何の影響を与えているのかがもう少し見えてくるだろうと。

<山田> 僕では調べきれないことだから、製薬会社さんがちゃんとやってくれたらありがたいと思っています。

<川合> 今までマナチュラは、水道水に添加剤としてペレットを入れると、純銀イオン水ができる。プラスαの価値を生み出す技術ですよという言い方をしてきました。その後、山田先生が、どうやらもとの水そのものにも変化を起こしているらしいということを、研究しておいでですよね。

<山田> そう。水の*接触角が変わるんですよ。
接触角というのは、表面張力の大きさという感じでしょうか。平らなところに水をぽとんと落とすと、べたっと濡れることもあれば、まんまるになることもあるでしょう?
水は表面エネルギーをいちばん下げた状態にしたいので、水の表面張力が大きいと表面積を小さくしようとまんまるになるんですよ。水の表面張力が小さくて接触角が下がると、わりとべちゃーっと濡れるんです。
ところが、純銀イオン水をはかってみると、ふつうの水よりも接触角が大きくなっていて、まんまるくなります。ということは、それだけ表面エネルギーが高い水ができているということで、水自体の特性がやっぱり変わっていると考えられるのです。


* 接触角=固体物質に液体をつけたときの、液体の端と固体物質のつくる角度のこと。 液体
と物質の馴染みやすさを示す。



その表面エネルギーの差に表れるというのは、よっぽど変性しているのだと思います。中を少しいじったくらいでは、ふつうは接触角は変わらないものですから。数値がだいぶ違うので、完全に優位だそうです。ということは、純銀イオン水は水の表面エネルギーが大きくなっている。これも一般的に言われている話とは正反対です。
つまり、一般的には、OHラジカルができると、接触角が小さくなるんです。光触媒を壁に塗ると汚れがつかないというのは、接触角が小さくなって親水性になるということです。それは酸化チタンに太陽の光が当たって、そこに水があると、水のなかでOHラジカルができるからなんです。
そのOHラジカルができると親水性になるので、接触角が小さくなるはず。マナチュラも同じようにOHラジカルがあるから、最初に測定したときには同じ理屈で接触角が下がると思ったら、逆でした。
この現象をどう解釈するかというと、マナチュラのペレットで作った純銀イオン水の中にOHラジカルはあるけれど、まだ見つかっていないほかのものがありそうだという仮説を立てています。

<川合> 自分の顔やからだに使ってわかるのは、ふつうの水に比べてマナチュラの純銀イオン水は肌への浸透性が増しているとは思いますね。乾燥肌の人にもいい。
ふつうの水だと肌につけっぱなしにするとカサカサになるものですが、 マナチュラの純銀イオン水は保湿にもいい。 エステ業界の人が使うのもその辺の効果を期待してのことでしょうね。とくにニキビによかったという声も届いています。

<山田> なんだか……まだ、あるんですよね、秘密が。かならず。

<川合> 根本的に水の質を変化させているということですものね。

<山田> そのとおり。

<川合> 「水のクラスター(=分子構造)が小さくなっている」とおっしゃる人もいますが、どうですか?

<山田> まだそんなに解明できてはいません。
そもそも水のクラスターを簡単に計る装置はないと思うんだよな・・・・・固体と違って、液体は分子振動も激しくてどんどん形を変えるでしょ。液体は瞬間的に姿を変えて、静止しないので、クラスターもとらえようがありません。

<川合> ふむ。科学の世界では、水のこと自体が、いまだに謎だらけですものね。

<山田> いちばん基本的なものなのにね、まだまだわからないことが多いですよ。
科学の領域で、いちばん扱いやすいのが気体。その次が固体。その中間の液体っていうのは扱いにくいものなんです。

<川合> 目に見えないのに、気体は扱いやすいんですか?

<山田> そう。 ボイル・シャルルの法則といって、「理想気体にかける圧力を二倍にしたら体積が二分の一になる」というのがあるでしょう。非常にわかりやすいのです。式があるわけで、予測もできますから。
気体に関しては、中学高校の教科書にも載るような基本的なものがあるんですが、液体はなかなか。固体にも「固体物理」という学問がありますが、「液体物理」はありません。

<川合> こんなに暮らしの身近にあるものなのに、水にはまだわからないことはいっぱいあると。

<山田> 全然解明できていないですよね。 「クラスターが小さいとおいしい」とも言われているけど、「証拠を示せ」と言われたらない。そんなもんです。わかっているようで、いちばんわかっていないかもしれないのが水ですから。
普遍的で、人間の生命活動にもいちばん影響しているものなのに、そのもの自体を知るのに、どう突き詰めればいいのかすらわからないのです。

<川合> 水は、すべてのいのちの源というのは理解しているんですけどね。 僕が好きな「*ウォーター」という映画がありまして、銀の抗菌作用についての話も出てきます。

<山田> そう。ある意味、水はロマンで満ちていて、今までにない物性を、どこかで発見できる可能性だってあるのです。

<川合> こんなにも身近な水が、まだ解明しきれないという不思議。
わからないことはまだ多いけれど、マナチュラが作る第三の水は、環境衛生を整えて、人の暮らしといのちをサポートするものだという、結果が先にわかっているわけです。

<山田> これから少しずつ、なぜいいのか、どうすぐれているのかをつまびらかにしながら、マナチュラが、よりよい人の暮らしへと導くものになれたらいいですね。

<川合> これからの時代はウイルスや菌と戦いながらもうまく共存する時代。マナチュラが有効な戦力となることを祈ります。

<山田> 暮らしを守るだけでなく、よりよくする水。そんな秘密がまだまだたくさん隠されていそうですね。

<川合> ワクワクしますよね。 マナチュラが拓く未来が楽しみです。

※この対談は2012年のものです。
 
 
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語り手:川合アユム

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